このページでは、「パラレルターンがうまくできるコツ」をまとめています。
僕は現在40代ですが、20代のころからスキースクールのインストラクターとして、いろんな人にスキーを教えてきました。
約20年です。
その経験から僕なりの「パラレルターン」についての考えをまとめています。
- これからパラレルターンを習得したい
- なんとなくパラレルで滑れるけど納得がいかない
- 人にパラレルターンを教えたい
という人は参考にしてみてください。なにかの「気づき」があるのではないかと思います。
対象レベルは、初級~中級以上の人に向けた内容です。
とはいえ、1級レベル以上の上級者の人にも「意外と意識してなかった」ということもあるかも。
興味のある方は、続きをご覧ください。
パラレルターンとは
両スキーを常に平行(パラレルスタンス)にそろえてターンする滑走方法です。
まぁそんなに難しい話じゃないですよね。ゲレンデでみなさん普通に使っている滑り方です。
そのほか代表的な滑り方に、
- 両スキーを常にハの字に開いて滑るプルークボーゲン
- パラレルスタンスで斜滑降、ターンするときに外スキーを開きだすシュテムターン
などがあります。
ポイント:パラレルっぽい滑りだけど…
パラレルターンができない、苦手、やりにくいという人は、大体シュテムターンっぽい滑りになってます。
↑コレ実はよくあるパターンで、そうなっちゃってる人すごく多いです。
どういう事かというと、ターンの導入時に外スキーを開きだしたりして「ハの字」にしないとターンできない滑りです。
これではパラレルっぽいけどシュテムターンに近いです。
これ、心当たりのある人多いんじゃないでしょうか?
「じゃあ具体的にどうやったらパラレルターンができるの?」
という話ですよね。
これから詳しく説明していきます。
パラレルターンのコツは切り替え:やり方は2種類
スキーの切り替え方法は大きく分けると2種類
この2種類の切り替え方法をテキトーにやると、外スキーを開きだす「シュテムターン」のような滑りになってしまいます。
違いをしっかり理解しましょう。
- 外スキーを開きだしてエッジを切り替える
- スキー板は動かさず、自分がターン内側に動いてエッジを切り替える
上記の2つの切り替えの動作は、どちらも次の外スキーのインエッジが使えるようにするためのモノです。
切り替えとは、スキーのエッジと体の位置関係を入れ替えることです。
ターンとターンの間には必ず切り替えがあります。じゃないと次のターンに入れません。
参考》【スキーは切り替えが超重要】2種類のやり方をわかりやすく解説します
パラレルターンの切り替え方法
パラレルターンでは「スキーは開きださず、自分がターン内側に移動する切り替え」を使います。
スキーを開きだして切り替えたら、パラレルターンじゃなくてシュテムターンになってしまいます。
この部分を、なんとなくテキトーにやってる人、意外と多いんじゃないでしょうか?
意識してできる人、意識しなくてもできてる人、意識しないからできない人
いろんなパターンがあります。
関連記事》シュテムターンとパラレルターンの違いは切り替え方法【わかりやすく解説】
パラレルターン大回りで滑るためのスキー操作
両スキーを常に平行にして滑るのがパラレルターンですが、その中でも「スキー板を横方向にズラしながら滑る方法」と「スキー板をズラさないで滑る方法」があります。
- ズレを利用してターンの大きさやスピードをコントロールする滑り
- スキーをなるべくズラさずにサイドカーブを使って、スピード感のある滑り
この2つの滑り方は、スキーの操作方法が異なります。
どちらが良いとか悪いじゃなく、両方使えたほうがいいですね。
スキー板を横方向にズラしたパラレルターン
今後、一番使うスキーの技術がこれです。
スキーをズラしつつターン弧やスピードをコントロールします。
ズレちゃってるんじゃなくて、意図的にズレをコントロールするんです。
「ズレを制する者は、スキーを制す!」って昔誰かが言ってました(^O^)/
これ、案外ホントだと思ってます。
急斜面やコブ斜面、せまいコースや人が多いところなど、あらゆる場面でズラす滑りが必要になります。
「カービング一辺倒」でもある程度は上達しますが、それ以上のエキスパートレベル(1級よりかなり上)でズレが下手くそな人は見た事ありません。
スキーが上手な人で「ズレは苦手」と自分で言う人はいますが、はたからみれば「十分うまい人」だったりします。
スキー板を縦方向に走らせるパラレルターン
要するにカービングターンです。
スキー板を横方向になるべくズラさないように、エッジを雪面に押し付けるように滑ります。
スキー板のサイドカーブを利用して、スキー板を縦に走らせるようにターンします。
カービングターンはスピード感があって気持いい滑りができます。
「キレてるぜ~」っていう感じで。
ただその反面、体への負担も大きくなります。
板をズラさないということは、ターン中の自分の体重や遠心力をすべて受け止めるわけなので、そりゃ疲れますよ。
脚もパンパンになります。
あと、条件の良いとこじゃないとスピードも出しづらいですね。
めっちゃ混んでるゲレンデを、カービングでぶっ飛ばしてる人を見かけますが、マジで危ないのでやめておきましょう。
カービングターンについてはこちらもどうぞ
関連記事》【スキーの滑り方】パラレルターンとカービングターンの違いを説明するよ
パラレルターンのストックワーク:最初は無しでOK
大回りのストックワークについては、最初は気にしなくていいです。
つかなくてもいいし、曲がるほうについてから曲がる、というアバウトな感じでOKです。
それよりも、切り替えやスキー操作のほうが重要です。
切り替えやスキー操作に慣れてきてからストックワークを意識しましょう。
やや上級編:パラレルターンの小回り(ショートターン)
パラレルターンの小回りは、
「スキーを強くひねって、とにかく素早く向きを変える」という滑り方をやっている人が多いんじゃないでしょうか?
もちろんひねりの小回りも必要な技術です。
でも最近はスキー板の進化もあって、小回りでもしっかりターン弧を描いていく滑りが主流です。
その場でスキー板を左右にひねる滑りじゃなく、ある程度は横のスペースも使って滑るイメージですね。
「そんな小回りがカッコイイ」と思う人が多いというわけです。
弧を描く小回りの練習のコツ:慌てない、テールを振らない
- ターンとターンの間は板をズラさない「斜滑降」を入れるイメージで
- リズムはややゆっくりでOK
ズラしっぱなしでは切り替えができないし、スキー板のテールを横に振るような切り替え操作では、弧を描く小回りにはなりません。
切り替え時に斜滑降を入れることで「横のスペース」を使うイメージが持てます。
最終的には斜滑降を短くしていきますが、必ず一瞬でも入れるつもりで慌てずにターンします。
関連記事》【パラレルターン小回り】ターン弧を描いて魅せるコツを解説
コブ斜面でパラレルターン小回り
コブ斜面でのパラレルターンは、最高難度です。
整地である程度小回りで滑れるようになったら、コブ斜面にもチャレンジしてみましょう。
「コブを颯爽と滑ることが上級者の証」とは言いませんが、やっぱりコブが滑れる人は上手な人が多いです。
コブでうまく滑れない人、失敗する人は、ほぼ切り替えがおそいです。
コブのラインに合わせて滑るわけですが、切り替えがおそいのでそのラインに合ってないのです。
↓詳しくはこちらの記事で解説しています。↓
関連記事》【コブ斜面の滑り方】コブが滑れないのは切り替えがおそいから!
関連記事》【春スキー】春のザク雪はコブを滑れ!【練習に最適】
外向、内向、腰の向きはどれが正解?
- 腰の向きは、自分が行きたい方向に向ける
- 常に外向姿勢は無理がある
外向姿勢とは、ターンの外側に腰が向いている姿勢のことです。
「スキーは外向姿勢が基本」と教わってきた人も多いのではないでしょうか?
しかし常に外向は無理があります。
例えば、ターンの前半に外向姿勢を作るのは意味がなく、むしろターン前半はターンの内側に腰を向けるのが自然です(内向)。
逆に、ターンの後半に腰を外向させるのは、ズラす滑りにおいては正解だと思います。
要するに、「行きたい方向に腰が向く」くらいの感じでOKです。
無理にターン前半から外向姿勢を作ることはありません。
ちなみに、外向が強すぎる滑りのデメリットがターン中のX脚です。
関連記事》【X脚の原因】パラレルターンでX脚になるのは腰の外向が強いから【詳しく解説】
パラレルターン徹底解説@まとめ
パラレルターンのコツを一言で言うなら「切り替えが超重要!」です。
これは僕自身の経験と、20年にわたってスキースクールのお客さんと接してきた中で、行きついた僕なりの結論です。
その間にスキー板の進化などもありましたが、本質的なことは変わっていません。
まずは切り替え!
こまかい話はそのあとです。
切り替えの方法を意識するだけでも滑りの質が上がるはずなので、ぜひ意識して試してみてください。
ちょっと難しいかもですが、関連記事も合わせて読んでもらうと理解できると思います。
「パラレルターンは切り替えがキモ」
ということで、今回は以上になります。