「だから謝ってるじゃん!」
こう返されて、モヤッとしたこと、ありませんか?
こっちは、明らかに非のあることを指摘した。
相手は、一応謝った。
でも、こっちはまだ納得していない。
追及を続けると、相手が逆に怒り出す。
「だから謝ってるじゃん!」
「もう謝っただろ!」
「謝ったんだから終わりだろ!」
……いや、お前がそれを決めるの?
そうなりますよね。
本人の頭の中で、何が起きているか
「だから謝ってるじゃん!」と怒る人の頭の中、論理的に追ってみると、こうなります。
1. 一応謝った
2. でも相手は納得していない
3. 「謝った=許される」が成立していない
4. 「契約違反だ!」というスタンス
5. 「もう謝っただろ!」と怒る
つまり、自分の中の取引契約が破られた、というクレームなんですよね。
本人の中の本音は、たぶんこうです。
「謝ったんだから、もう終わりだろ」
「じゃなきゃ、謝った意味ないじゃん」
これ、めちゃくちゃ身勝手で、自分にだけ都合のいい発想です。
そして、幼稚です。
謝罪が「終わらせるための手段」になっている。
「申し訳ない気持ちの表明」じゃない。
払ったコストと、得られる見返り。
こういう取引の発想で、謝罪を扱っている。
子どもが「ごめんなさいって言ったよ?もう怒らないで」と言うのと、構造は同じです。
子どもなら、自然な発想です。
でも、いい大人がこれだと、未熟さが露呈します。
↓「未熟な大人」の全体像はこちら↓
>>未熟な大人とは何か|話が通じない、論理が届かない「困った人」の構造
謝罪の本質は、取引じゃない
ここで、本来の謝罪を整理しておきます。
謝罪は、気持ちの問題です。
自分の行為で相手を傷つけた。
その事実に対する、申し訳ない気持ちの表明。
それ以上でも、それ以下でもない。
許してもらえるかどうかは、別の話です。
被害者が、自分で判断することです。
謝罪は、許しを得るための「対価」じゃない。
そして、許しは、謝罪と引き換えに「自動的に発生するもの」でもない。
そもそも、この「契約」は誰とも結んでいないんです。
本人が勝手に思い込んでいるだけ。
そして、その思い込みを相手に押し付けている。
許す/許さないを決めるのは、誰か
ここが、いちばん大事なポイントです。
許すかどうかを決めるのは、被害者です。
加害者じゃありません。
これは、よく考えれば当たり前のことです。
傷つけられたのは被害者。
だから、許すかどうかも、被害者が決める。
加害者が口を出すことじゃない。
それなのに、「だから謝ってるじゃん!」「もう謝っただろ!」と言う人は、何をしているか。
被害者が判断する権利を、勝手に奪おうとしているんですよね。
「俺は謝った」
「だからお前はもう許さなきゃダメだ」
「許さないお前がおかしい」
こういうスタンス。
完全に立場の越境です。
こちらが感じるのは、たぶんこの一言です。
「お前が勝手に終わらせるなよ!」
これ、論理的にも正しいんです。
お前は加害者だ、終わらせる権利はそっちにない。
当然の反論です。
上司や取引先には、絶対こんな対応しない
もう一つ、見落とせない事実があります。
このタイプの人、上司や取引先に対して、同じ態度を取れるでしょうか?
取引先に何かでクレームを受けた時。
「だから謝ってるじゃん!」と怒れる人は、ほぼいません。
取引先には、きちんと頭を下げる。
真摯に対応する。
「もう謝った」なんて、絶対言わない。
でも、目の前のあなたには違う。
「だから謝ってるじゃん!」が出る。
つまり、本人は相手を見て、態度を選んでいるんですよね。
強い相手にはちゃんとやる。
弱いと見た相手には、強気に「もう終わりにしろ」と圧をかける。
その「弱いと見た相手」に、こっちが選ばれている。
ここも、消化しきれない部分です。
モヤモヤの正体は、論理が破綻していることが透けて見えるから
「だから謝ってるじゃん!」と怒る人を見て、こちらが感じるモヤモヤ。
本当のところは、こうです。
「いや、なんでお前が終わらせるんだよ」
「謝罪って、許しと引き換えに払うものじゃないだろ」
「お前、どういう思考回路で生きてるの?」
こちらは、知っているんです。
本人の論理が、根本から破綻していることを。
それなのに、本人は当然のように「もう謝っただろ」と言ってくる。
だから、消化できないんですよね。
「気にするな」では、このモヤモヤは消えない
こういう場面で、よく言われるアドバイスがあります。
「気にしないほうがいいよ」
「謝ったって言ってるんだから、もういいじゃない」
言ってる人に悪気はないと思います。
でも、これでスッキリした人は、たぶんいません。
このモヤモヤは、感情の問題じゃないからです。
「気にしない」と決めれば消える種類のものではありません。
本当に消したいなら、感情で蓋をするのではなく、構造として理解するのが効きます。
「あ、この人は謝罪を取引だと思ってるんだな」
「だから『契約違反だ!』と怒れるんだな」
「許す権利は被害者にあると、認識できてないんだな」
そう見えると、不可解さがだいぶ消えます。
そして、相手を変えようとする消耗からも、解放されていきます。
こっちの「お前が勝手に終わらせるなよ!」という違和感は、正しかったんです。
ちゃんと、相手の論理の破綻を、受け取っていただけです。
同じ系統の「困った人」を、サイト内で扱っています
「だから謝ってるじゃん!」と言うタイプは、サイトで扱っている他の「困った人」と、根っこは同じです。
自分の非を、本気で引き受けたくない。
形式だけで済ませようとする。
相手を見て、態度を変える。
↓同系統のパターンはこちら↓
>>「謝ったらいいの?」って言う人、だいたい謝る気ない話
>>『で、どうしてほしいの?』にモヤモヤする理由
>>「そう思わせたならごめん」にモヤモヤする理由
こういう人と、どう関わるか
とはいえ、こういう人とも、関わり続けないといけない場面はありますよね。
職場、家族、ご近所。
すぐに距離を取れない相手のときは、関わり方を変えるしかありません。
基本は「戦わない、変えようとしない、自分の課題に集中する」というシンプルな考え方ですが、これを身につけると、こういう人を相手にしたときの消耗が、だいぶ減ります。
↓こういう人との関わり方はこちら↓
>>話が通じない人との関わり方|戦わずに勝つという選択