今回は「スキーでカッコよくパラレルターンで滑りたいのに、どうしてもハの字が出てしまってうまくいかない」
という人に向けて、その原因と解決方法について解説します。
内容は、初級~中級レベルの内容ですが、上級者の人にも参考になる内容だと思います。
- パラレルターンがうまくできない
- なんかやりにくい
という人はぜひ続きをご覧ください。
パラレルターンができない!ハの字になるパターンは2つ
パラレルターンがしたいのにハの字になってしまって、うまくできないパターンは大体以下の通りです。
- そもそもターンの導入時に外スキーをハの字の形にしないとターンができない
- ターン中に外スキーに比べて内スキーが回ってこない
詳しく解説します。
ターンの導入時に外スキーをハの字の形にしないとターンができない
ターン導入時に外スキーをハの字にしてしまうのは、そうしないと外スキーのインエッジが使えず、ターンが始まらないからです。
たとえば、
パラレルスタンスで右方向への斜滑降、
そのあと左ターンをするとします。
右へ斜滑降しているときは、おもに左スキーのインエッジが雪面をとらえていて、それに乗って滑っていますよね。
つぎに、左ターンに入ります。
左ターンは、右スキーのインエッジで方向を変えていきます。
ということは、左スキーのインエッジから右スキーのインエッジに乗りかえないと左ターンが始まらないわけです。
これがスキー用語でいう「切り替え」です。
この時に、一番簡単に切り替える方法が、外スキーをハの字に開きだす方法です。
この場合、右スキーを開きだせばその時点で右スキーのインエッジが雪面に接地します。
というのは、脚を開けば開くほどスキーのインエッジが立つからです。(角付けされる)
さらに「ハの字」に開きだすことでスキーが左にターンする準備(迎え角)ができているので、あとはそこに荷重して行けば左ターンが始まります。
これはこれで1つの滑り方ですが、パラレルターンで滑りたい、ハの字にならないようにしたいなら、別の切り替え方法を使う必要があります。
その方法は後述します。
ターン中に外スキーに比べて内スキーが回ってこない
次に、外スキーはターンしたい方向へうまく回ってくるけど、内スキーがうまく回らずにハの字になってしまうパターンです。
特に、内スキーのテール側が雪面に引っかかって、うまくスキーが回ってこないことが多いんじゃないでしょうか。
これは、内スキーのインエッジがいつまでも雪面をとらえすぎてることが原因です。
つまりこのパターンは、両スキーのインエッジが角付けされたままターンしてる状態です。
これではスムーズなターンを、内スキーがジャマしている状態です(+o+)
内スキー(左スキー)のインエッジが引っかかって回りにくい
通常パラレルターンは、外スキーのインエッジ側と内スキーのアウトエッジ側が雪面に接地してターンします。
両スキーのインエッジが角付けされたターンは、プルークボーゲンに近い滑りになります。
ハの字が小さくなるとパラレルっぽく見えますが、どうしてもハの字が残ってしまいます。
パラレルターンで板がハの字にならないようにするには
パラレルターンは、切り替え方法と内スキーのアウトエッジがキモ
ハの字にならないパラレルターンの習得には、
- 自分がターン内側に移動する切り替え
- 内スキーのアウトエッジが使えるポジショニング
この2つが超重要です。
切り替えで自分が動く
まずパラレルターンでは、ターンの導入時に外スキーを開きだすことなくエッジを切り替えることが必要です。
外スキーをハの字に開きだすということは、スキー板を動かしてエッジを切り替えています。
スキーを動かさずにエッジを切り替えるには、自分がターンの内側に移動する(傾く)ことで可能になります。
具体的に言うと、両スキーのあいだにある自分の重心(腰の位置)を内スキーの上まで横にスライドさせるイメージです。
そうすることで、外スキーのインエッジは角付けされた状態になります。
外スキーを開きださなくてもターンが始められるポジションができましたね。
その後はエッジング操作次第でターンの調整ができます。
インエッジを雪面に押さえつけて乗っていけばスピード感のあるカービング要素の滑りになるし、進行方向のやや外側にずらすことができればスピードをおさえたターンになります。
さらに、ひねりの要素を強くすれば、小さなターンもできますね。
※外スキーの切り替え方法の練習はこちらの記事で詳しく解説しています
関連記事》【パラレルターンの練習方法】スキー板がハの字になるならコレを試せ!
内スキーのインエッジを外す:角付けをゆるめる
そして内スキーがうまく回ってこない原因も、腰の位置をターン内側にスライドさせることで同時に解決できます。
というのも、ターン中に内スキーのインエッジの角付けが解放されないのは、腰とひざの位置が原因です。
内スキーより腰やひざの位置が外側にあるからです。
両スキーのインエッジが角付けされた状態
だから内スキーのインエッジが角付けされたまま、外スキーのインエッジも角付けしてターンするといった窮屈なポジションになります。
その結果、外スキーは思った方向へターンしようとしますが、内スキーのインエッジ(特にテール側)がジャマになってうまくターンができないというわけです。
だったら、内スキーの角付けが緩むところまで腰の位置を内側に持ってくれば、内スキーはジャマになりません。
ポイントは、内スキーの滑走面が雪面に対してフラットになるまで、腰の位置を内側にスライドさせるイメージです。
内スキーはフラット、外スキーは角付け
最終的には内スキーより内側になるまで移動させたいところですが、最初は恐怖心もあるはずなので、低速で内スキーをフラットにするつもりでターンするといいでしょう。
しっかり腰を内側にスライドできていれば、内スキーがジャマになることはなくなるはずです。
【ちょっと上級編】パラレルターンで内スキーは勝手には同調しない
内スキーが勝手にそろうは嘘。上手な人は操作している。
パラレルターンで両スキーのを意識するなら、内スキーのエッジを意識したほうがいいですね。
内スキーを放置しててはダメです。
上級者にとっては内脚の操作は必須です。
意識してなのか、無意識なのかはありますが、内スキーのアウトエッジが使えています。
内スキーのアウトエッジに荷重するという意識は持たなくていいですが、外スキーに同調させるという意識は必要です。
もし、今よりも質の高いパラレルターンを目指すなら、内スキーが使いやすいポジションを意識してみると良いと思います。
そして内スキーのアウトエッジを意識して操作できるようになれば、かなり両スキーが同調した本当のパラレルターンができるようになります。
パラレルターンがうまくできない@まとめ
今回は、パラレルターンでスキー板がハの字になる原因と解決法についてお話ししました。
うまくいかない原因は、レベルによってさまざまなので、今回解説した内容もすべての人に当てはまるわけではありません。
とはいえ、心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
スキーでつまずくところは大体同じで、ここに一つの壁があるように感じます。
しかし、理屈をしっかり理解して練習すれば、いずれうまくできるようになります。
最後に一言
内脚が使えるようになれば、滑りがかわる!
ということで、今回は以上になります。